益寿亭侯
冒頭
益寿亭侯(えきじゅていこう)とは、後漢末の封爵の一つで、武将の于禁(うきん)が曹操(そうそう)から功績を賞されて封じられた「亭侯」の爵位名です。吉川英治『三国志』では、軍紀を守って味方の掠奪を討ち、敵張繍への備えを優先した于禁の処置を曹操が評価し、その「特にその功」として益寿亭侯に封じた、と記されます。
概要
「侯」は諸侯・列侯に連なる爵位の称で、「亭侯」は一定地域(亭)を名目上の封地として与えられる封爵です。益寿はその爵号に付く地名・称号部分で、個人名ではなく、封爵の呼称として用いられます。吉川作品中でも「益寿亭侯」は于禁個人の新たな身分表示として現れ、賞として黄金の器物が与えられるなど、軍功に対する朝廷・政権の褒賞体系の一端を示します。
意味
作中の「封じ」は、功臣に爵位を与えて地位と名誉を保証する行為を指し、軍中における賞罰の明確化にもつながります。曹操が于禁を「名将」と称して封爵する場面は、統帥者が軍規維持を重視し、讒言した青州兵を処罰し、監督責任として夏侯惇を譴責する流れと一続きに描かれています。
関連人物
史実との違い