盟主
冒頭
盟主(めいしゅ)とは、複数の軍勢や諸侯が共同の目的で結ぶ盟約において、全体の指揮・統率を委ねられる中心人物のことです。吉川英治『三国志』では、義兵が蜂起して董卓討伐を目指す諸将が「三軍の盟主」を立て、総軍の首将として戴くべきだと議する語として用いられます。
概要
盟主は同盟軍の代表であり、各軍の利害が一致しにくい状況でも作戦の統一、軍令の発布、功罪の裁定などを行う立場です。小説中では、盟主推戴が単なる名誉ではなく、同盟の秩序を成立させるための制度的な要請として描かれます。
意味
語の中心は「盟」で、共同の誓約にもとづく結合を指します。盟主は、その誓約の名の下に諸将を束ねる「主」であり、私的な主従ではなく、共同目的に従う統率者という性格を持ちます。諸将が「譲り合って」推薦し、名望の高さを理由に推す場面は、盟主が合意によって成立することを示します。
背景と用法
反董卓の挙兵では、諸将が壇を築いて祭り、牛馬を屠って誓約を立てるなど、盟約を儀礼化して盟主の権威を形づくります。盟主に推された袁紹は壇上で「赤誠の大盟」を宣し、功ある者を賞し罪ある者を罰する旨を告げ、軍令の第一言として諸軍に厳命します。盟主はこのように、盟約の象徴であると同時に、実務の指揮権を帯びる役職として示されます。
関連人物
史実との違い