社稷

冒頭
社稷(しゃしょく)とは、土地の神である社と穀物の神である稷をあわせた語で、転じて国家そのもの、また国家の安泰を指す言葉です。
 
概要
中国の王朝国家では、君主が天地・祖先と並んで国の根本を祭る対象として社と稷を祀りました。このため社稷は、宗廟と並ぶ国家統治の象徴となり、「社稷を守る」は国を保つ意、「社稷の臣」は国家を支える重臣の意として用いられます。
 
意味
本義は祭祀対象ですが、三国志世界の政治言語では、実務上「国体」「王朝」「朝廷の大義」に近い意味で現れます。たとえば孔明が後主に「社稷をお守り」するよう奏する箇所では、蜀漢の国家維持そのものを求める語となっています。
 
用例と当時の文脈
群雄の会盟や朝廷の政争では、「漢の天下を扶けて社稷を安んぜんがため」のように、挙兵の名分を支える語として使われます。
また、献帝曹操を「朕が社稷の臣」と呼ぶ用例のように、皇帝が国家防衛・秩序回復を担う人物を指名する政治的表現にもなります。
さらに「社稷に巣くう奸党」のように、国の中枢に害をなす勢力を批判する定型句としても現れます。
 
関連人物
諸葛亮は出師にあたり後主へ「社稷をお守り」するよう求め、国家の継承と維持を託します。
献帝曹操を「社稷の臣」と呼び、朝廷を支える臣として位置づけます。
王朗曹真を「社稷の重臣」として出征を促し、国難における責務を強調します。
 
史実との違い
社稷の語義自体は古典以来の慣用で、吉川三国志でも祭祀語から転じた「国家」を示す政治語としての用法が中心となり、史実・演義の一般的理解と大きくは異なりません。
「社稷」登場回数
合計: 25回
0 1 2 3 5 4 桃園の巻 5 群星の巻 1 草莽の巻 2 臣道の巻 0 孔明の巻 3 赤壁の巻 1 望蜀の巻 0 図南の巻 5 出師の巻 4 五丈原の巻
最終更新日: 約4時間前