蔡邕

蔡邕(さいよう)とは
後漢末の学者・文人・政治家。字は伯喈(はくかい)。文章や音楽、書法にすぐれ、後漢末を代表する文化人のひとりとして知られる。
 
生涯
陳留郡の出身。若いころから博学多才で知られ、特に文章と音楽に秀でた。後漢霊帝に仕えたが、宦官勢力を批判して左遷され、各地を流浪する。
董卓が政権を握ると再び召し出され、董卓に重用される。しかし董卓の暴虐を止めることはできず、董卓誅殺後に「董卓の腹心」とみなされて捕らえられ、処刑された。
 
人物
文才・学才に恵まれ、当時の名士からも高く評価された。一方で董卓に仕えたことから「奸臣」との批判も受け、悲劇的な最期を遂げた。
 
妻子や血縁
娘の蔡琰(蔡文姫)は音楽と文学に優れた女性として名高く、後に匈奴に連れ去られたのち曹操に救出される。その悲劇的な生涯と詩文は中国文学史に残る。
 
関連する人物
董卓:蔡邕を重用したが、董卓の悪政に蔡邕は抗しきれなかった。
・蔡琰(蔡文姫):娘。文学史に名を残す。
曹操:蔡琰を匈奴から呼び戻した。
 
有名なエピソード
蔡邕は「経」を建てた人物として知られる。これは儒教の経典を碑に刻んで洛陽に建て、人々が正確な経書を学べるようにしたものである。
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川版では、董卓に仕える文化人として登場し、暴虐の世に翻弄される知識人の悲哀を象徴する人物として描かれる。董卓の悪名とともに蔡邕の名が出ることで、乱世における「才ある者の悲劇」が際立つ。
「蔡邕」の基本情報
総登場回数
8回
活動期間
3巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
図南の巻
最も活躍した巻
図南の巻 (5回登場)
「蔡邕」登場回数
合計: 8回
0 1 2 3 5 1 桃園の巻 2 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 5 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前