黄口児
冒頭
黄口児(こうこうじ)とは、年少で経験が浅い者を、侮って呼ぶ語です。乳児の口もとが黄みを帯びることから「黄口」といい、そこに「児」を添えて幼さを強調します。
概要
本来は「幼い子」の意ですが、三国志の作中では、多くが相手の年齢や軍事・政治上の未熟さを攻撃する罵倒として用いられます。相手の発言や行動を「若造の言」として退け、威勢や正統性を示す修辞として機能します。
意味
字義は「幼児」「若年者」。転じて「青二才」「未熟者」の意を帯び、論戦や口論の場で相手の言葉の重みを下げる表現となります。王朗が孔明の論を「黄口児の口吻」として嘲る例のように、弁舌の優劣や政治的正当性の争いと結びつきやすい語です。
用例
夏侯惇が諸葛亮を「黄口児」と呼び、実戦経験の乏しさを衝く用法が見られます。 また袁紹は孫堅に対し「貴様の如き黄口児」と言い、相手を若輩として退けています。 さらに会稽の王朗が孫策を「黄口児孫策」と呼んで挑発するなど、年若い指揮官への蔑称として反復されます。
史実との違い
吉川三国志での用法は、古典漢語としての一般的な「黄口児」の語感(若年・未熟への蔑称)と大きな差はありません。