黄鉞
冒頭
黄鉞(こうえつ)とは、軍権を象徴する儀仗の一つで、主将や統帥に委ねられる指揮権・処断権を示す鉞(まさかり)です。吉川英治『三国志』では「白旄黄鉞」と並べて、総帥の周囲に立つ親衛・儀仗の標識として描かれます 。
概要
黄鉞は単なる武器というより、軍を統べる者の権威を可視化する標章として扱われます。作中では、曹操の進軍に際し「白旄黄鉞の燦々たる親衛兵」に囲まれた姿が示され、総帥の所在と威令を示す中心的な目印となっています 。また、張飛の一喝により「白旄黄鉞などの儀容を崩」すという描写があり、儀仗が威儀・秩序の表現装置であることが前提になっています 。
意味
鉞は古くから権力者の威令を象徴し、軍法執行や指揮命令の正統性を帯びる道具立てとされました。吉川三国志では黄鉞が「帝座のあたりを守る」ものとしても現れ、王権・統帥権の近傍に置かれる性格が強調されています 。さらに呉では、孫権が陸遜に大権を委ねる儀式で、剣・印綬・兵符などとともに白旄・黄鉞が授けられ、方面軍統率の権限一式を託す標識として機能しています 。
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