五行説
冒頭
五行説(ごぎょうせつ)とは、万物や社会の変動を木・火・土・金・水の五つの要素の循環と関係で説明する古代中国の思想体系です。吉川英治『三国志』では、当時の人々が天文・暦数や易の解釈と並べて信奉した運命観の基盤として言及されます。
概要
五行は互いに生み助ける関係と、打ち勝ち抑える関係を持つとされ、政治・兵法・倫理など広い領域の思考枠組みに用いられました。作中でも、人の努力だけでは抗しがたい自然や天変地異を前に、天の意思を読み取る方法として天文や易理が重んじられ、その中心に五行説が置かれています。
意味
五行説は、個人の「命」や土地の性質、王朝の盛衰を五行に配当して解釈する文脈で使われます。たとえば荀彧は、漢室を「火性の家」、曹操を「土命」、許昌の方位を「土性の地」と述べ、都の所在と家運の結びつきを説いています。
関連人物
史実との違い
史実でも陰陽五行は広く流行し讖緯説などと結びつきましたが、吉川三国志では人物の発言として、王朝・個人・土地の性質(火性・土命・土性など)に整理して示される傾向があります。