塹壕
冒頭
塹壕(ざんごう)とは、陣地の周囲や戦場の要地に掘って、敵の進攻を妨げたり、防御側の身を隠したりするための溝です。吉川英治『三国志』では、谷や陣地の構築物の一つとして、柵や寨と組み合わせて用いられます。
概要
塹壕は、土を掘って作るため短期間で設けやすく、敵騎兵の突入を止める、攻城側の接近を遅らせる、味方の射撃・防衛線を安定させるなどの目的を持ちます。長期対陣では、陣地を「塁壕」として固め、不落の形に近づける要素にもなります。
意味
語義としては「塹」が掘割、「壕」が堀・溝を指し、あわせて防御用の掘割を意味します。作中でも「壕あり」として、通路や寨門・糧倉などと並ぶ、防備の見取り要素として示されています。
作中での使われ方
葫芦谷では、孔明の設計に基づき「谷のうちには数条の塹壕を掘り」と報告され、柵・柴・硫黄や煙硝の隠匿などと一体で、敵を誘い込むための陣地工作に組み込まれています。
また渭水方面の戦いでは、附近一帯に塹をめぐらして棚をかけ土をかぶせることで落とし穴として機能させ、突撃してきた兵馬を陥れる仕掛けとして用いられます。
関連人物
史実との違い
塹壕や掘割そのものは古代戦でも一般的な防御法ですが、葫芦谷で塹壕とあわせて語られる地雷・薬線などの要素は、史実の記録よりも物語的な軍略描写としてまとめられています。