相府
冒頭
相府(しょうふ)とは、後漢末に丞相が政務を執る官府兼邸宅で、丞相府ともいう施設です。吉川英治『三国志』では主として曹操が許都に置いた権力中枢を指し、玄徳(劉備)が召されて「相府の門をくぐ」る場面などに用いられます。
概要
相府は、丞相の政務機関としての役所機能と、私的な居所・迎賓空間をあわせ持つ場として描かれます。玄徳が導かれた先が「庁ではなく曹操の第宅につづく南苑の閣」だったように、公式の聴政空間と邸内の区画が連続する構造が示されます。
意味
「相」は宰相・丞相を、「府」は官府(役所)を意味し、相府は「丞相の府(官府)」の意となります。作中では「丞相府のほうへ」「相府の書」など、軍令・政令の発出先や中央の意思決定機関としての用法が見られます。
機能と当時の文脈
相府は儀礼・饗応・裁断の場でもあり、群臣が陪席する宴席が設けられ、相府直属の楽士が演奏するなど、宮中とは別系統の権力文化を備えた空間として扱われます。 また、深夜に「聴問閣」の名が出て、相府の廊の灯が一斉に点る描写から、非常時の取調べ・指揮の機能も読み取れます。
関連人物
史実との違い