討匪将軍
冒頭
討匪将軍(とうひしょうぐん)とは、朝廷が賊徒や叛乱勢力の鎮圧を目的として将に与える、討伐任務を示す将軍号です。吉川英治『三国志』では、印綬を帯びて出征する官軍の指揮権と、勅命による出兵であることを象徴する称号として扱われます。
概要
「匪」は賊徒・ならず者を指し、討匪は賊討伐を意味します。戦乱や地方の蜂起が相次ぐ状況で、特定の地域・敵に対する軍事行動を担う将を任じ、その権限を公的に担保するために用いられる呼称です。作中では「討匪将軍の印綬をおびて」戦地へ下る形で、官の正規軍としての体裁が明示されます。
意味
将軍号は階位や名誉に加え、出征の名分を与える機能を持ちます。印綬は命令権の証であり、これを帯びる描写は、軍務が私闘ではなく王府からの委任であること、指揮系統が朝廷に属することを示す記号として働きます。
関連人物
作中で討匪将軍の印綬を帯び、広宗の野で五万の官軍を率いるのは中郎将の盧植(ろしょく)です。劉備が旧師として盧植の陣を訪れるくだりと結びつき、黄巾勢力への対処が国家事業として進んでいる局面が示されます。
史実との違い