陳寿
冒頭
陳寿(ちんじゅ)とは、三国時代の魏・蜀・呉の事績をまとめた正史「三国志」の編者として知られる、晋代の史官です。吉川英治の小説では、孔明の臨終などについて「原書三国志の描写」が精細である旨が言及され、作中世界の背後にある記録者として位置づけられます。
生涯
蜀(蜀漢)の地に生まれ、のち晋に仕えて史官として活動し、諸国の記録や伝聞を整理して「三国志」を編纂したとされます。編年体ではなく、人物ごとの列伝を中心に構成し、魏・呉・蜀の三国をそれぞれ分けて叙述する形式をとります。
人物像
武将として前線に立つ人物ではなく、官僚・文人として史料を取捨し、人物評を付して後世の理解の枠組みを与えた存在です。各人物の行跡だけでなく、統治や用兵、政治的判断がもたらした帰結を簡潔に示す叙述が特徴とされます。
関係人物
直接の主従関係で語られるよりも、曹操・劉備・孫権、諸葛孔明など、三国の中枢人物の事績を「記す側」に回った人物として関係づけられます。吉川作品でも、孔明の死の前後などに「原書三国志」の記述が参照対象として示されます。
史実との違い