現皇帝
冒頭
現皇帝(げんこうてい)とは、その時点で帝位にある君主を指す呼び名です。同義の敬称として今上(きんじょう)が用いられ、臣下が直接の諱や追号を避けて奏上・言及する際の表現となります。魏帝の使者が献帝に対して「今上の仁慈」と述べる形で見られます。
概要
後漢末から三国時代にかけては、実権を握る権臣や有力諸侯と、名目的な正統性の源泉としての皇帝権威とが分離しやすく、現皇帝という言い方自体が、政治的実権ではなく「在位者」を示す語として機能しました。献帝が在位中に董卓の擁立を受け、政務が他者の意のままとなる状況などは、現皇帝の権威と統治能力が一致しない典型例として描かれます。
意味
現皇帝・現帝は、時間軸に依存する相対語で、文脈により指す人物が変わります。作中では蜀の後主劉禅を「現帝|劉禅」と具体名を添えて呼ぶ用例があり、同一政権内でも「先帝」と区別して在位者を示すために使われます。
関連人物
史実との違い
現皇帝・今上は史実・演義にもある一般的敬称であり、吉川三国志でもその用法自体に大きな差異はありません。