都府
冒頭
都府(とふ)とは、国家や一地方の政治の中心となる都と、そこに置かれた官府官衙や官僚機構をあわせて指す語です。
概要
語の用法は大きく二つに分かれ、第一に「中央の都と朝廷」を意味します。たとえば魏の領域拡大を背景に、都府の百官が曹操の王位推戴を論じる場面では、都府は中央政権の官僚社会を指しています 。第二に、地方統治の中心都市を意味し、巴蜀地方の都府中心地として成都が挙げられる箇所では、都府は地域行政の中枢としての「府都」を表します 。
意味
「都」は首都や中心都市、「府」は官府官庁の意で、合成語として「政治権力の所在」を強く示します。董卓の遷都に際し、伝統ある都府を捨てることへの反発が語られる箇所では、都府が単なる都市ではなく、王朝の正統性と行政機構の蓄積を含む概念として扱われています 。また、洛陽を「横奪りした都府」とする叙述では、都府が権力によって占有される統治の拠点であることが示されています 。
関連事項
都府は「都府文化」のように、中央で形成される制度知識や文物の集積を指す語感も持ち、中央志向の価値観を表す文脈で用いられます 。
史実との違い
都府は漢末の政治中枢や地方中心地を指す一般語であり、吉川三国志での用法は史実や演義の語感と大きく異ならない。