八盤の大礼
冒頭
八盤の大礼(はちばんのたいれい)とは、皇帝の位を譲り受ける禅譲の式典に先立って行われる、格式を示すための儀式です。吉川英治『三国志』では、献帝が帝位を魏王に譲る冊文を読み上げた後、曹丕がこの儀式を済ませてから受禅台にのぼり、玉璽を受ける手順として記されます
概要
作中で「八盤」と呼ばれるのは、儀礼に用いる供物や饗膳などを「盤」に盛って整える古式の連想にもとづく呼称で、即位の正当性を典礼の形式で支える役割を担います。曹丕の即位場面では、儀式と奏楽、万歳の唱和が一体となって新王朝成立の公的手続きが進み、直後に国号を大魏、年号を黄初元年と改める宣言へつながります
意味
政治権力の移動を、単なる武力や実力の結果ではなく、朝廷儀礼によって「天命の移行」として整序するための装置です。旧朝臣を従えた献帝が台下へ降り、曹丕が玉璽を受けて新帝となる対比が、この儀礼の機能を明確にします
史実との違い