玉璽

玉璽(ぎょくじ)とは
玉璽とは、中国皇帝の印章を指す。特に「伝国の璽(でんこくのじ)」と呼ばれるものは、秦の始皇帝以来、代々の皇帝に伝わった帝位の象徴とされる至宝である。
 
歴史的背景
伝国の玉璽は、秦の始皇帝が天下を統一した際に作らせたと伝わる。和氏の璧(かしのへき)という名玉を用い、「受命於天 既壽永昌(天命を受け、寿しく永く昌なれ)」と刻まれていた。
その後、歴代王朝に受け継がれたが、戦乱の中で所在がしばしば不明となり、覇者が手にすることで正統性を主張する重要な象徴とされた。
 
三国志での関わり
後漢末、洛陽が戦火に包まれると玉璽は行方不明となった。孫堅洛陽でこれを発見したとされ、これが彼の勢力拡大のきっかけとなる。孫堅の死後は袁術の手に渡り、袁術はこれを根拠に帝位を僭称する。
その後の三国時代を通じて、玉璽は「正統」をめぐる象徴的存在として物語に現れる。
 
関連する人物
孫堅洛陽で玉璽を発見した)
袁術(玉璽を手にし、帝位を僭称した)
曹操(玉璽を求めて正統性を固めようとした)
 
有名なエピソード
孫堅洛陽の瓦礫の中から玉璽を発見した逸話
袁術が玉璽を根拠に皇帝を称したが、天下から非難され滅亡したこと
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川英治三国志』では、玉璽は「天下を制する象徴」として描かれる。孫堅が玉璽を得た場面は彼の英雄性を際立たせる一方で、袁術が玉璽に溺れて破滅する姿は、権威の象徴に執着することの愚かさを強調する。玉璽の行方は、乱世における「正統」の空虚さを象徴する小道具として巧みに用いられている。
「玉璽」登場回数
合計: 92回
0 8 16 24 33 2 桃園の巻 20 群星の巻 33 草莽の巻 7 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 20 望蜀の巻 0 図南の巻 10 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前