勅令
冒頭
勅令(ちょくれい)とは、天子や皇帝が国家の意思として臣下・諸侯に下す公式の命令文書、またはその命令行為です。吉川英治『三国志』では「勅命」「詔勅」「詔書」などの語でも現れ、権力の正当性や名分を付与する装置として扱われます 。
概要
後漢末から三国期の政治では、軍事・任官・封爵・討伐命令などの重要事項を、天子の名で発することが制度上の形式となりました。たとえば曹操勢力は、天子の詔勅を得て勅使を派遣し、諸勢力へ命令を伝達させます 。
意味
勅令は、単なる指示ではなく、命令に従う側へ「朝廷に従う」という立場を強制し、従わない側には「勅に背く」不名誉を負わせうる枠組みを作ります。作中でも「勅命とあっては、違背はならぬ」として、受命者が進退の自由を失う様子が示されます 。
背景
関連人物
劉備は勅命を受けた以上は従うべきだと判断し、勅令が行動の拘束として働く典型例となります 。また司馬懿が「勅命いなみ難し」として受命を断りきれない場面もあり、勅令が官僚・将軍にも及ぶ拘束力として描かれます 。
史実との違い
吉川三国志では、勅令が名分を作る制度として前面に出ますが、史実や演義でも同様に、実際の詔勅は有力者の圧力や主導によって発せられる場合が少なくありません 。