太平要術
冒頭
太平要術(たいへいようじゅつ)とは、張角が仙人から授かったとされる三巻の書物で、乱世の「塗炭」を救い、道を興して善を施すための要諦を記す秘伝書です。授与者は南華老仙と名乗り、書を私欲や悪心のために用いれば天罰で身を亡ぼすと戒めます。
概要
吉川英治『三国志』では、太平要術は張角の宗教的権威と組織形成の根拠となり、疫病流行の場面で弟子たちによる秘薬の配布や、張角自身の呪法・符水などの術と結びつき、民衆救済の実践を通じて信徒を増やす契機として描かれます。
意味
語の上では「太平」は天下泰平、「要術」は要となる術・要諦を指し、政治的混乱と社会不安の時代に、救済と秩序回復を掲げる教えと方術が一体化したものとして位置づけられます。書物の授与は、張角個人の学識ではなく「天命による正当性」を示す装置となります。
関連人物
史実との違い