殿軍
冒頭
殿軍(しんがり)とは、軍が進退する際に隊列の最後尾を受け持ち、追撃を防いだり退却路を確保したりする部隊、またはその任務です。吉川英治『三国志』では、撤退命令に伴って関門守備の兵が殿軍として呼ばれたり、退く軍の背後を固める働きとして語られます。
概要
殿軍は、撤退戦で敵の追撃を遅らせるほか、味方主力を逃がすために防御線を維持する役目を負います。危険度が高く、兵の統率・地形判断・持久力が求められるため、殿軍の将は作戦全体の成否に関わる重責を担います。麦城では王甫が「城もろとも微塵になるまで殿軍」すると述べ、主将の離脱を成立させるための最後尾防衛として示されます。
意味
語義としては「殿」=しんがり、最後尾を表し、「軍」=軍勢のことです。隊列上の最後尾を固めるだけでなく、敵に「追えば危険がある」と思わせる心理的抑止も含まれます。蜀が老兵を殿軍に残して退いた局面では、呉の陸遜が伏兵を疑い、追撃を禁じる根拠として殿軍が説明されます。
使われ方
関連人物
史実との違い
殿軍は史実・演義を通じて一般的な軍事用語であり、吉川三国志でもその基本的意味と運用は大きく変わりません。