熒星

冒頭
熒星(けいせい)とは、中国古代の天文学・占星術で主に火星を指す呼称で、赤く光る「火」の星として凶兆や兵乱と結びつけて解釈されることが多い天体です。作中では、太白星(きんぼし、金星)と並べて天命の転換を示す徴として語られます 。
 
概要
熒は「ほのかに燃えるように光る」の意で、熒星はその字義どおり赤い光を伴う星をいう言い方です。五行説では火星が「火」に配当され、戦・疫・政変などと関連づけて読まれやすく、天子や有力者の盛衰を天文現象に照応させる思考の中で重要視されました。
 
意味
作中で王立(太史令)が説く「太白星が天の河をつらぬき、熒星の運行もそれへ向って、両星が出合おうとしている」「金火の両星が交会すれば、新しい天子が出現」という見立ては、金星火星の会合を政治的吉凶に結びつける占断の型を示しています 。ここでは熒星は、単なる天体名ではなく「天意の兆し」を読むための用語として機能します。
 
当時の文脈での使われ方
襄陽城蒯良が「常には見ない熒星が、西の野に落ちました」「将星地に墜つの象」と述べる箇所は、星の異変を将の生死・戦局の転回と結びつける読み方を示します 。このように、熒星は運行(星位の変化)としても、落下する星の異常としても、不祥・転機の符号として扱われます。
 
関連人物
天文を司る太史令の王立が、熒星と太白星の交会を根拠に「新しい天子」の兆しを語ります 。また荊州方の蒯良は、熒星の「落つ」現象を材料に、敵味方の吉凶を占断します 。
 
史実との違い
史書・演義でも天文を瑞祥・災異として政治に結びつける発想は共通しますが、作中の王立による「金火交会=新天子出現」の具体的予言は、史実の個別記事というより当時一般の災異思想・占候の語り口をまとめて用いた表現です 。
「熒星」登場回数
合計: 2回
0 0 0 0 1 0 桃園の巻 1 群星の巻 1 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約5時間前