県軍
冒頭
県軍(けんぐん)とは、後漢末の地方行政区画である県が、治安維持や賊徒の捜索・討伐のために動員した武装勢力、または県の官吏が統率する部隊を指す呼び名です。黄巾賊などの反乱勢力に対し、県の側が自衛・警備として編成する兵力として語られます。
概要
県は郡の下位に置かれる基礎的な行政単位で、県令・県長や県尉などの官が行政・司法・警察・軍事的実務を担いました。県軍は、中央から派遣される大軍とは別に、土地勘を持つ地元の吏や兵を中心として機動的に動き、賊の捜索、要地の警備、乱後の秩序回復にあたる存在として位置づけられます。
意味
作中では「県の吏軍が約五百ほど野陣を張り、捜索している」といった形で、一定規模の兵力を伴う追捕隊・警備隊として示されます。 また「県軍のまわし者」という言い方は、県の側に属する者、すなわち官側の手先・密偵と疑う文脈で用いられます。
背景
黄巾の乱のように各地で反乱や賊害が頻発すると、県城が焼かれ領主が殺されるなど地方統治が動揺し、散った家臣や残兵が再集結して賊への対抗に向かう状況が生じます。県軍はこうした地方の自衛・報復の実働部隊として機能しうるものとして扱われます。
関連人物
史実との違い
「県軍」という語は史料上の定型名称というより、県に属する官軍・吏軍・県兵的な兵力をまとめて呼ぶ便宜的表現として用いられる場合があり、正史では郡県の兵制はより多様な官職・動員形態で記録されます。