項羽

項羽(こうう)とは
項羽は、中国秦末から漢初にかけての武将・覇者で、楚の名門出身。姓は項、名は籍(せき)、字は羽。一般には「西楚の覇王」として知られる。三国志の時代より約400年前の人物であり、直接の登場はしないが、後世の英雄像に大きな影響を与えた。
 
生涯
項羽は楚の名門項氏に生まれ、幼少から武勇に優れていた。秦末の混乱期に叔父の項梁とともに挙兵し、反秦勢力の中心となった。秦軍を破り、巨鹿の戦いで圧倒的勝利を収め、「楚の覇王」と称された。
しかし劉邦との「楚漢戦争」では次第に劣勢となり、最終的に垓下(現在の安徽省)で劉邦軍に包囲される。名高い「四面楚歌」の中で、愛妾虞姫と別れ、自らも烏江で自刎して果てた。
 
人物
項羽は「力は山を抜き、気は世を蓋う」と称される豪傑で、武勇において他に並ぶ者がなかった。反面、政治的手腕や用人術には欠け、勝利を収めながらも天下を掌握することができなかった。悲劇的英雄として、中国文学や歴史において強い印象を残している。
 
関連する人物
項梁(叔父。共に挙兵した)
虞美人(愛妾。別れの物語で有名)
劉邦(後の漢の高祖。項羽と楚漢戦争を戦い、最終的に勝利した)
 
有名なエピソード
・巨鹿の戦いで秦軍を大破し、英雄として名を轟かせた。
・四面楚歌の中、虞姫との別れを惜しんだ逸話。
・烏江で自害し、その死は中国史上屈指の悲劇とされる。
 
三国志との関わり
項羽は三国志には直接登場しないが、後世の武将像に強い影響を与えた。特に「無双の豪傑」としての姿は、三国志関羽張飛呂布といった人物像と重ねられることが多い。吉川英治三国志』においても、しばしば項羽を引き合いに出して英雄の強さや悲劇性を際立たせる表現がなされている。
「項羽」の基本情報
総登場回数
7回
活動期間
5巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
出師の巻
最も活躍した巻
草莽の巻 (3回登場)
「項羽」登場回数
合計: 7回
0 0 1 2 3 1 桃園の巻 0 群星の巻 3 草莽の巻 0 臣道の巻 1 孔明の巻 1 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 1 出師の巻 0 五丈原の巻
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