宛城

宛城(えんじょう)とは
宛城は、後漢から三国時代にかけて存在した都市で、現在の中国河南南陽市にあたる。南陽盆地の中心都市であり、軍事的・経済的に重要な拠点であった。
 
歴史的背景
宛城は南陽郡の治所として栄え、後漢末の混乱期には群雄が争奪戦を繰り広げた。南陽は豊かな土地で兵糧の供給地として重視され、また蜀・荊州中原を結ぶ交通の要衝でもあったため、戦略的に大きな意味を持った。
 
三国志での関わり
宛城は、張繡が本拠としたことで知られる。建安3年(198年)、曹操が宛城を攻めた際、張繡はいったん降伏したが、後に裏切って奇襲をかけ、曹操の長子・曹昂や愛将典韋が戦死するという大事件が起きた(宛城の戦い)。
この戦いは曹操の生涯でも大きな敗北の一つとして知られている。
 
関連する人物
張繡(宛城を本拠とした群雄)
賈詡張繡の軍師として宛城の戦いで活躍)
曹操(宛城攻略を試みるが敗北する)
典韋(宛城の戦いで戦死した曹操の勇将)
曹昂曹操の長子で戦死)
 
吉川英治三国志での扱われ方と史実との違い
吉川英治三国志』でも宛城は重要な舞台として描かれ、曹操が大敗を喫する場面がドラマチックに展開される。特に典韋の壮絶な最期や曹昂の戦死は、物語の大きな悲劇的転換点となっている。史実に基づく事件であるが、小説では曹操の人間的な弱さや悲哀が強調されている。
「宛城」登場回数
合計: 25回
0 1 3 5 7 5 桃園の巻 0 群星の巻 7 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 6 赤壁の巻 1 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 6 五丈原の巻
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