南陽

南陽(なんよう)とは
後漢から三国志期にかけての中国の地名で、現在の河南省南部・湖北省北西部一帯にあたる。人口・物産ともに豊かで、後漢末の群雄割拠において重要な地域のひとつであった。
 
土地の歴史
南陽郡は前漢に設置され、後漢期には最も人口が多い郡とされるほどの大都市圏だった。農業が盛んで、鉄や塩などの産業資源にも恵まれていた。また交通の要衝でもあり、北は洛陽へ、南は荊州へと通じる道が整備されていた。
 
関連する人物
劉表荊州を治める前、南陽にも勢力を及ぼした。
袁術:一時南陽を本拠とし、ここから勢力を広げようとした。
劉備曹操に敗れた後、南陽の劉表を頼り、一時的に寄寓した。
諸葛亮:南陽郡の隆中に隠棲し、劉備の三顧の礼を受けたことで有名。
 
三国志での文脈
南陽は荊州北部の要所であり、三国志において劉備諸葛亮を迎え入れる舞台として大きな意味を持つ。また群雄が割拠するなかで、南陽を制することは荊州支配に直結し、戦略上きわめて重要だった。
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川版では、南陽は「隆中諸葛亮」の舞台として特に強調される。田園の中に身を置く賢人と、彼を迎えに行く劉備の姿が対比的に描かれ、南陽は「乱世を導く知略の源泉」として象徴的な意味を持つ土地となっている。
「南陽」登場回数
合計: 38回
0 4 8 12 17 2 桃園の巻 4 群星の巻 17 草莽の巻 0 臣道の巻 6 孔明の巻 2 赤壁の巻 2 望蜀の巻 0 図南の巻 2 出師の巻 3 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前