戒厳令
冒頭
戒厳令(かいげんれい)とは、戦乱や非常事態に際して、軍事力を背景に都市や要地の出入口を封鎖し、通行や活動を強く制限して治安と統制を維持するための臨時の命令です。
概要
平時の行政的な取り締まりでは制御できない混乱が予想される場合、軍や武装勢力が警備権限を拡大し、門や関所の管理、夜間の外出制限、検問、集会の抑止などを通じて秩序を確保する枠組みを指します。作中では、宮城と市中の門を閉じ、味方以外の出入りを断つ命令として示されます。
意味
語の中心である「戒厳」は、警戒を厳重にして備える意で、軍事的警備を最優先に置く状態をいいます。「戒厳令」は、その状態を実現するための具体的な命令であり、都市封鎖や人員移動の遮断によって、政変・暗殺・襲撃・放火・略奪などの波及を防ぐことが目的となります。
当時の文脈での使われ方
後漢末の洛陽では、宮廷内外の権力争いが軍事衝突に転化しやすく、宮城の門や市中の衛門を押さえることが即座に主導権の確保につながりました。作中では、袁紹が近衛兵を率いて内裏へ進み、王城の八門と市中の衛門を閉鎖して、味方以外の通行を禁じる措置として「戒厳令」が布かれています。
関連人物
史実との違い
吉川三国志では「戒厳令」という近代的な語で非常措置を要約していますが、史実・漢代の制度用語として同一名の法令が一貫して整備されていたというより、閉門・禁令・衛兵配置などの実務的措置として理解されます。