近衛兵
冒頭
近衛兵(こんえいへい)とは、皇帝や宮城を護衛し、禁門や内裏の警備、儀仗、政変時の実力行使などを担う親衛の兵です。吉川英治『三国志』では「御林軍(近衛兵)」として示され、宮廷の武力基盤として描かれます。
概要
近衛兵は、外征の主力軍とは別に、都城と宮中の秩序維持を任務とする常備兵力として位置づけられます。平時には宮門の警固や行幸の随従を行い、非常時には戒厳や宮中の制圧に投入されうるため、政治権力の帰趨に直結する存在となります。
意味
「近衛」は君主の近くを守る意で、近衛兵は君主の身辺警護・禁苑警備の兵を指します。作中では、袁紹が「御林の近衛兵五千」を率いて内裏へ押し通り、城門を閉じて戒厳を布く場面があり、宮廷支配の手段としての性格が示されます。
歴史
後漢末の政局では、外戚・宦官・有力武人が禁中の主導権を争い、宮城を押さえることが政権掌握の要件となりました。近衛兵はその中心戦力であり、皇帝権威の象徴であると同時に、実際には指揮権を握る者の私兵化や、政変の道具となる危険も抱えます。
関連人物
袁紹は御林軍の指揮を通じて禁中へ兵を入れ、宮廷内の敵対勢力を討とうとします。 また曹操の行軍が天子の儀仗を伴う形で描かれる場面では、五色の旗を掲げた近衛兵が大規模に随従し、権威の演出として機能しています。 さらに袁術が自称帝王として近衛兵を従える場面もあり、僭称する権力の外形としても扱われます。
史実との違い