王城
冒頭
王城(おうじょう)とは、王者すなわち天子が居し、政権の中枢がおかれる都城を指す語です。吉川英治『三国志』では、洛陽が「王城の府」として描写され、禁門や百官の往来を伴う漢朝の中心都市として位置づけられます 。
概要
王城は特定の固有地名ではなく、王都・帝都という性格を示す呼称です。作中では、後漢の首都である洛陽を王城と呼ぶ用例のほか、董卓の遷都後に長安の市街が「王城街の繁華」を呈するという形でも用いられます 。また、長安は「漢の皇祖が業を定めた王城の地」とされ、地勢上の要害性と結びつけて語られます 。
意味
王城という語が含む中心概念は、天子の宮城と官僚機構を擁する統治の座である点にあります。したがって、王城の動揺は王朝権威の動揺として受け取られやすく、作中でも王城を揺るがす災異が人心不安と結びつけて述べられます 。
関連人物・関連地
王城として最も頻出するのは洛陽であり 、遷都によって長安が王城として機能する局面が示されます 。遷都を主導する董卓など、天子を擁して都城を動かす権力者の行為は、王城の所在そのものを政治闘争の焦点に変えます 。
史実との違い
王城という呼称自体は漢代以来の一般的な語であり、吉川三国志でも史実・演義と大きく異なる特殊な意味づけはみられません。