上谷
冒頭
上谷(じょうこく)とは、後漢末から三国時代にかけて中国北方の辺境に置かれた郡の一つで、幽州方面に属する地名です。吉川英治『三国志』では、董卓の専横下で官を逐われた盧植が世を避ける隠棲先として「上谷の閑野」が挙げられます。
概要
上谷は、中原の中核地域から見て北方に位置し、北方騎馬勢力との接点となりやすい地理条件をもつため、軍事・防衛上の意味を帯びることが多い郡でした。作中で「閑野」として言及されるのは、政争の渦中から距離を取り、身を隠すに足る周縁の土地として理解されます。
歴史
後漢の地方統治は郡県制を基本とし、上谷のような郡は太守などの官によって治められました。北辺の郡は、治安維持・対外警備の役目を担う一方、中央政権が動揺すると、有力者が離脱して在野に退く余地も生まれます。盧植が官を逐われたのち「上谷の閑野にかくれ」たという叙述は、こうした周縁地の性格を踏まえた配置といえます。
関連人物
史実との違い