勅拝
冒頭
勅拝(ちょくはい)とは、天子の詔勅や勅使を迎えるにあたり、臣下が勅命に対して拝礼を行う正式の儀礼です。勅命を「個人からの手紙」ではなく国家最高権威の命令として受け取るための手続きで、受命者の立場や統治の正統性とも結びつきます。
概要
勅拝は、勅使が奉じて来た詔書を拝受する場での礼法を指し、勅使の到着から詔書の奉読・拝受、受命者側の拝礼などを含む「式」として運用されます。吉川英治『三国志』では、劉備が徐州で勅使を迎え、まず勅拝の式を済ませたのちに別室で使者をねぎらう、という順序が描かれ、私的応接より先に公的儀礼が置かれています。
意味
「勅」は天子の命令、「拝」は臣下の礼であり、勅拝は勅命への服従と敬意を表明する行為です。勅使は天子の代理として扱われるため、勅拝は実質的に天子への拝礼に準ずる意味を持ち、地方官や諸侯が朝廷秩序に属することを確認する役割も担います。
関連人物・関連語
勅使(ちょくし)は勅命を奉じて派遣される使者で、勅拝はその勅使を迎えて詔勅を拝受する局面で行われます。作中では、地方巡察の勅を奉じた督郵の一行が「勅使」として遇され、迎える側が最高礼をとる場面が示されています。
史実との違い