督郵

冒頭
督郵(とくゆう)とは後漢の郡県支配において、地方の県や属吏を巡察し、違法や不正、実績の虚偽などを糺すために上級機関から派遣される監察系の官吏です。吉川英治三国志』では「天子の使い」「地方巡察の勅を奉じてきた」存在として描かれます。
 
概要
督郵は、戦乱や政治腐敗の進行下で、軍功の偽称や縁故による叙任などが横行する状況を取り締まるための巡察任務を帯び、奏聞によって処罰や更迭を促し得る立場にあります。作中でも黄巾討伐後の「軍功ありといつわりて…官爵をうけ」る者を正邪判別せよ、という詔を奉じて下向したとされます。
 
意味
語としては「督」が監督・検察、「郵」が伝達・往来(公用の使者的性格)を含み、郡内を巡って県吏を監察する職掌を指します。作中では勅使として随員を伴い、県尉玄徳に対して礼法や統治の不備を咎め、さらに歓待の「心もち」を試す形で賄賂を事実上要求するなど、監察権限が圧力として作用します。
 
吉川三国志での用例
安喜県に下った督郵は高圧的に県尉玄徳を叱責し、玄徳の出自申告を不敬として奏聞を示唆します。 その後、贈り物がないことを理由に玄徳を「不埓」と断じ、県吏に訴状作成を強要して都へ急送し、厳罰に処する構えを取ります。 これが引き金となって張飛が督郵を捕え、柳の木に吊して鞭打つ事件が起こり、玄徳は勅命を畏れて一旦は制しつつも、最終的に印綬を解いて督郵に託し、官を捨てて去ります。
 
史実との違い
吉川三国志の督郵は賄賂要求と偽訴状の作成が明確に描かれる一方、この「督郵を辱めて官を去る」筋自体は演義にも見える挿話で、史実記述では官職名や経緯の細部が一定しません。
「督郵」登場回数
合計: 39回
0 9 19 29 39 39 桃園の巻 0 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約4時間前