徐州

徐州(じょしゅう)とは、中国の古代における地方行政区画の一つであり、三国志の時代にもたびたび登場します。現在の山東省西南部、江蘇省北部、安徽省北部一帯にあたるエリアで、古来より交通の要衝であり人口も多い地域でした。

歴史的には、戦国時代から存在し、漢代にも州として定められます。三国志の物語の中では、劉備が一時期この地の牧(州の長官)となり、人々の信頼を集めました。その後、呂布も一時この地を支配し、曹操袁術など、時代の有力者が徐州をめぐって激しく争いました。特に「徐州牧劉備」としての活躍や、呂布の徐州制圧は有名なエピソードです。

徐州に関わる主要な人物としては、劉備(りゅうび)、呂布(りょふ)、陶謙(とうけん)、曹操(そうそう)などが挙げられます。また、劉備呂布の間での駆け引き、曹操との勢力争いが物語の山場となっています。

徐州が重要視された理由のひとつに、豊かな土地でありながらも、北方と南方の境となる地理的な位置があります。そのため、ここを制する者が中国中原部の覇権を握る足がかりを得ることができました。

吉川英治三国志では、徐州は義と情に厚い陶謙劉備に自らの州をゆずる場面など、激動の舞台として描かれています。故事成語「泣いて馬謖を斬る」に通じるような、やむなく意志を曲げねばならない君主の苦悩も垣間見られます。

全体として、徐州は三国志の勢力争いの大きな舞台であり、英雄たちの運命のみならず、中国史全体の大きな流れの中でも重要な役割を果たした土地です。

「徐州」登場回数
合計: 211回
0 22 45 68 91 1 桃園の巻 44 群星の巻 91 草莽の巻 65 臣道の巻 6 孔明の巻 1 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 3 出師の巻 0 五丈原の巻
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