南門
冒頭
南門(なんもん)とは、城郭都市や要塞化した城の城壁に設けられる南側の出入口で、攻城戦・防衛戦・退却路のいずれにおいても要点となる城門です。四方に門を持つ城では、北門・東門・西門と並ぶ基本区画の一つとして扱われます。
概要
吉川英治『三国志』では、南門は個別の固有名というより「どの城にもある南側の門」を指す軍事用語として反復して現れ、兵の配置や攻撃担当の割り振りを示す目印になります。朱雋が宛城へ迫った際、孫堅に南門の攻撃を任せ、劉備(玄徳)に北門を担当させるなど、門ごとの分担が戦術の骨格として示されています。
意味
南門という呼称は方位に基づく機能名で、門そのものだけでなく、門前の堀・吊橋・門楼・門へ通じる大路を含む一帯を指して用いられることがあります。城内からの脱出口としても意識され、南安攻略では魏将夏侯楙が「南の門」から逃れたのち、南門へ通じる道で待ち受けに遭い捕縛される展開が描かれています。
関連する用法
火攻め・奇襲の場面では「西・北・南の三門」といった形で複数の門が一括して語られ、守備側の混乱や逃走経路の遮断を表す指標となります。新野城の火計では、西門・北門・南門の三方から火攻めを加える指示が出され、城中でも南門を含む各門が火勢の焦点として扱われます。
史実との違い
南門は一般的な城門の方位名であり、この語そのものについて吉川三国志独自の史実・演義との差異は特に設けられていません。