禅譲
冒頭
禅譲(ぜんじょう)とは、天子が自発的な譲位という形式をとって、帝位を他者に譲る政治的手続きです。王朝交替を正当化する理念としては、古代の堯が舜に位を譲ったという先例が引かれます 。
概要
意味
禅譲は「譲る」行為を中核にしつつ、実際には新政権の成立を儀礼化し、天下への告知と官僚機構の移行を一体で進める制度的装置でした。献帝の譲位、玉璽の授受、改元や国号変更が連続して語られるのは、政統の移転を完結させるためです 。
背景
禅譲が円滑に受け入れられるためには、天命が移ったという名目が重視され、麒麟・鳳凰・黄龍などの瑞兆が喧伝され、受禅の議が公然化します 。また、形式上は「再三辞退してから受ける」礼が利用され、曹丕が一旦固辞する態度も、世評を避ける策として位置づけられます 。
関連人物
史実との違い
吉川三国志では、瑞兆の流布、固辞の演出、受禅台の造営といった段取りを重ねて「禅譲」の形式を整える過程が強調され、禅譲が名目上の譲位である点が前面に出る 。