前漢

前漢(ぜんかん)とは
紀元前202年に劉邦(高祖)が建国した漢王朝の前期で、都を長安に置いたため「西漢」とも呼ばれる。紀元前8年に王莽が「新」を建てるまで続いた。
 
歴史
劉邦(高祖)が楚漢戦争に勝利し皇帝に即位、中央集権国家の基礎を築いた。
文帝・景帝の時代には刑罰の軽減や節約政策で安定した政治を行い、「文景の治」と呼ばれる。
武帝の時代に全盛期を迎え、匈奴討伐・西域経営を進めて領土を大きく拡張し、儒教を国教化した。
・末期には外戚や宦官の権力争いが深刻化し、王莽が簒奪して「新」を建国するに至った。
 
経済・文化
前漢期には塩・鉄・酒の専売制が敷かれ、国家の経済基盤が整えられた。またシルクロードの開通によって西域との交流が始まり、中国文化が外へ広がる契機となった。
 
関連する人物
劉邦(高祖):創始者。楚漢戦争で項羽を破った。
・呂后:高祖の死後、政治を掌握した皇后。
武帝:前漢の最盛期を築き、儒教を国是とした。
 
三国志との関わり
直接の舞台ではないが、後の劉備は「前漢高祖劉邦の後裔」を称して正統性を訴えた。前漢は「大漢帝国の理想形」として後世の人々に意識され、三国時代においても漢の名が人心をつなぐ大義名分となった。
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川版では前漢そのものは直接描かれないが、劉備が「漢室の宗親」と自称する際に背景として意識されている。劉邦の開国とその志が、劉備の理想像と重ねられることで物語に深みを与えている。
「前漢」登場回数
合計: 2回
0 0 0 0 1 0 桃園の巻 1 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 1 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前