廃帝
廃帝(はいてい)とは
皇帝の位を退けられた人物を指す一般的な呼称。特定の一人の固有名ではなく、歴代の王朝で「位を廃された帝」を総称していう言葉である。
意味
「廃する」とは、やめさせる・退けるという意味で、廃帝は「帝位を廃された皇帝」のことを表す。死後に正式な廟号や諡号を贈られず、「廃帝」と記録される場合もある。
三国志での文脈
文学的用法
「廃帝」という言葉は、単に史実上の立場を指すだけでなく、「正統を奪われた悲運の皇帝」というイメージを強調する表現としても使われる。
吉川版では、董卓の専横の中で少帝劉弁が廃される場面が描かれ、そのとき「廃帝」と表現される。これは「権力者の都合によって正統の皇帝が退けられる」という時代の不条理を印象づける重要な描写となっている。