王室
冒頭
王室(おうしつ)とは、王(天子・皇帝)を中心とする支配家門と、その家門が体現する国家の正統性を指す語です。吉川英治『三国志』では、後漢王朝の天子と皇族(漢室)を軸に、政権の正当・不当を論じる場面で用いられます。
概要
乱世においては、実際の軍事力や領土支配だけでなく、天子の名義や皇族との関係が「天下に号令する根拠」として機能しました。そのため「王室を扶ける」「王室を尊ぶ」といった言い方は、王朝の秩序回復や、権力行使の名分を示す標語にもなります。
意味
背景
後漢末は、天子が存しても実権が失われやすく、王室への奉仕や擁護を掲げること自体が政治的主張になりました。王室の名を奉じる側は、敵を「逆臣」と規定しやすく、また王室の名を借りる行為は、相手から「詐り」として攻撃される余地も生みます。
作中での使われ方
王室は、行動の正当化や人物評の基準としても現れます。孔明が劉備を「王室の宗親」と述べる場面では、劉備の出自が政治的資格の根拠として示されています。 また、国策として「王室を尊んで険阻を守る」と語られるように、王室への尊崇は軍事・外交方針と結びついて語られます。
史実との違い