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出廬

一  十年語り合っても理解し得ない人と人もあるし、一夕の間に百年の知己となる人と人もある。  玄徳と孔明とは、お互いに、一見旧知のごとき情を抱いた。いわゆる意気相許したというものであろう。  孔明は、やがて云った。 「も...

本文 三国志 赤壁の巻
約2ヶ月 ago
柳眉剣簪

一  その後、玄徳の身辺に、一つの異変が生じた。それは、劉琦君の死であった。  故劉表の嫡子として、玄徳はあくまで琦君を立ててきたが、生来多病の劉琦は、ついに襄陽城中でまだ若いのに長逝した。  孔明はその葬儀委員長の任を済ま...

本文 望蜀の巻 三国志
約2ヶ月 ago
大江の魚

一  大河は大陸の動脈である。  支那大陸を生かしている二つの大動脈は、いうまでもなく、北方の黄河と、南方の揚子江とである。  呉は、大江の流れに沿うて、「江東の地」と称われている。  ここに、呉の長沙の太守孫堅の遺子孫...

本文 草莽の巻 三国志
約2ヶ月 ago
呉の外交

一  ――それより前に。  張飛の首を船底に隠して、蜀の上流から千里を一帆に逃げ降った范疆、張達のふたりは、その後、呉の都建業に来て、張飛の首を孫権に献じ、今後の随身と忠節を誓ったあげく、 「蜀軍七十余万が、近く呉に向って襲...

出師の巻 本文 三国志
約2ヶ月 ago
増長冠

一  下邳は徐州から東方の山地で、寄手第六軍の大将韓暹は、ここから徐州へ通じる道を抑え、司令部を山中の嘯松寺において、総攻撃の日を待っている。  もちろん、街道の交通は止まっている。野にも部落にも兵が満ちていた。  ――けれ...

本文 草莽の巻 三国志
約2ヶ月 ago
三国志

三国志(さんごくし)は吉川英治の小説、中国の後漢末から三国時代(紀元2世紀末〜3世紀)の歴史や英雄たちを描いた壮大な物語です。 【三国志について】 ・概要と時代背景  三国志は、後漢の末期(約180年頃)に起こった黄巾の乱を発...

地名 三国志
約2ヶ月 ago
小覇王

一  曠の陣頭で、晴々と、太史慈に笑いかえされたので、年少な孫策は、 「よしッ今日こそ、きのうの勝負をつけてみせる」と、馬を躍らしかけた。 「待ちたまえ」と、腹心の程普は、あわてて彼の馬前に立ちふさがりながら、 「口賢い...

本文 草莽の巻 三国志
約2ヶ月 ago
雷怯子

一  雨やどりの間の雑談にすぎないので巧みに答えをかわされたが、曹操は、腹も立てられなかった。  玄徳は、すこし先に歩いていたが、よいほどな所で、彼を待ち迎えて、 「まだ降りそうな雲ですが」 「雨もまた趣があっていい。雨...

臣道の巻 本文 三国志
約2ヶ月 ago
日時計

一  かくて、小覇王孫郎の名は、旭日のような勢いとなり、江東一帯の地は、その武威にあらまし慴伏してしまったが、ここになお頑健な歯のように、根ぶかく歯肉たる旧領を守って、容易に抜きとれない一勢力が残っていた。  太史慈、字は子義。...

本文 草莽の巻 三国志
約2ヶ月 ago