宮闕
冒頭
宮闕(きゅうけつ)とは、天子の宮城とその門闕を指す語で、転じて宮中や朝廷中枢そのものを意味する言葉です。吉川英治『三国志』では「宮闕《きゅうけつ》の内外」のように、禁中の建物群とその周辺一帯をまとめて表す用法で現れます。
概要
字義は「宮」と、宮門の高楼・門楼を含む「闕」からなり、単なる建築物名ではなく、皇帝権力が置かれる空間と政治機構を含意します。そのため「宮闕の謀賊」のように、宮中に巣くう勢力を指弾する表現にも用いられます。
意味
後漢末の洛陽では、宮闕は天子の居所であると同時に、外戚・宦官・禁軍が利害を争う政治の現場でした。作中では十常侍をめぐる政変の局面で、禁門の内外が兵乱に覆われ「宮闕の内外は大混乱」と叙され、宮中が統治の中心であるがゆえに、混乱もまた急速に全都へ波及し得る場所として示されます。
関連人物
史実との違い