郎中
冒頭
郎中(ろうちゅう)とは、後漢の朝廷で、宮中や中央官署に属して出仕し、上奏や諫言など政務に関わる官職・官名の一つです。吉川英治『三国志』では、玄徳(劉備)が洛陽の禁門付近で「郎中張均」に出会うように、参内する資格と体面を備えた中央官人として描かれます。
概要
作中の郎中は、皇帝への拝謁や奏聞に関わり得る「朝廷内部の官人」を指す語として用いられます。張均は玄徳の境遇を聞いたうえで「帝へ奏聞しておこう」と述べ、のちに「張郎中」と呼ばれて霊帝に拝謁し、君側の奸である十常侍の粛正を泣訴します。
意味
語としては「郎」を冠する郎官系統の官に由来し、中央で近侍・出仕する官人を広く含み得ます。作中では、官名を添えて人物を呼ぶ敬称としても機能し、「張郎中」「楊郎中」のように、官職名がその人物の政治的距離や発言力の根拠として扱われます。
関連人物
吉川三国志での扱いと史実や演義との違いとしては、官制の細かな系統差よりも「中央に出仕し上奏しうる官人」という性格を前面に出す呼称として整理されている点が挙げられます。