大青龍刀

大青龍刀(だいせいりゅうとう)とは
関羽雲長)が振るう巨大な刃を指す呼称で、吉川英治三国志』では「八十二斤と称する大青龍刀」として描かれる、騎上から豪烈に薙ぎ払う象徴的な武器である 。
 
呼称
作中では「大青龍刀」と呼ばれるほか、「青龍刀」「偃月刀」「偃月の青龍刀」「青龍の偃月刀」と表現が揺れながら同一の関羽の得物として語られる。例えば戦場描写では「偃月の青龍刀」や「青龍刀」として頻出する 。関羽魯粛との応接で刀先に錦袍を掛ける場面でも「偃月の青龍刀」と記される 。
 
特徴
重さは「八十二斤」と称され、関羽は鞍上から左右へも容赦なく薙ぎ払う。その重さと圧力は敵将を一撃で圧し潰すほどと誇張的に描写され、顔良を「偃月の青龍刀」のただ一揮で斬り割る凄烈さが強調される 。また退路で振り向きざまに後方へ一閃を送るなど、重いながらも自在な操法が語られる 。
 
作中での主な場面
汜水関での華雄討ちに向かう際、「八十二斤と称する大青龍刀」を抱えて出陣する導入が名高い 。
・白旗を掲げて挑発する関羽が、文醜を追い詰めて後ろから青龍刀の横薙ぎで頸を討つ 。
白馬の陣では、顔良を「偃月の青龍刀」ただ一撃で両断して首級を挙げる 。
黄忠との一騎打ちでは、関羽は振りかぶった「大青龍刀」を、敵馬の脚傷を見て敢えて下ろさず、勝負の礼を重んじる逸話として描かれる 。
・雪中で王忠を挑発する場面でも「大青龍刀」をひっさげて中軍へ迫る様が映える 。
 
所有者とその後
関羽の戦死後、その遺物としての「青龍の偃月刀」は呉の潘璋へ与えられ、名将の象徴として渇仰を集めたと記される(赤兎馬の末路と並置され、遺烈が語られる) 。
 
作中の見どころ
曹操が別れの餞に贈った錦袍を、関羽は「偃月の青龍刀」の刃先に引っかけて肩に掛ける。豪胆と用心深さを同時に見せる名場面で、武器が人格の延長として演出されている 。
「大青龍刀」登場回数
合計: 8回
0 1 2 3 4 0 桃園の巻 1 群星の巻 1 草莽の巻 1 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 1 望蜀の巻 0 図南の巻 4 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 28日前