雲長

雲長(うんちょう)とは、中国後漢末期から三国時代にかけて活躍した武将、関羽(かんう)の字(あざな)です。一般的には関羽のことを指します。

関羽は、もともと山西省解県出身の武人で、劉備を義兄弟(劉備張飛とともに「桃園の誓い」を結ぶ)として、生涯にわたり主君として仕えた人物です。義理堅く、信義を重んじ、また武勇に秀でていたことから後世「義の人」「武神」として崇拝されています。かなり背が高く、顔が赤ら顔だったとされ、長い美髯を持つのが特徴としてたびたび描写されます。

関羽はいくつもの戦で勇名を馳せ、特に「長坂橋の一騎討ち」や「五関突破」などの逸話が有名です。「赤兎馬」という駿馬に乗り、青龍偃月刀を使って戦うその姿は三国志随一のヒーロー像となっています。「義兄弟」である劉備を決して裏切らず、曹操の厚遇を受けながらも曹操のもとを去って劉備の許に戻るなど、義理の厚さが強調されています。のちには「五虎大将軍」の筆頭に数えられ、荊州の守備を任されましたが、のちに孫権軍の策略により敗北し、捕らえられて処刑されます。

吉川英治三国志でも、関羽(雲長)はその誠実さと忠義、そして英雄的な武勇でもって大いに活躍し、物語の見せ場となっています。史実では実際の性格像や最期には諸説ありますが、小説における「義」の化身という描き方の影響が日本では特に強く残っています。

なお、雲長という呼び名は字(あざな)であり、三国志においては本名の「関羽」か「関雲長」のどちらでも呼ばれることがあります。

「雲長」の基本情報
総登場回数
64回
活動期間
5巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
出師の巻
最も活躍した巻
桃園の巻 (50回登場)
「雲長」登場回数
合計: 64回
0 12 25 37 50 50 桃園の巻 0 群星の巻 1 草莽の巻 7 臣道の巻 5 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 1 出師の巻 0 五丈原の巻
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