漢朝

漢朝(かんちょう)とは
紀元前202年に劉邦(高祖)が建てた王朝で、中国史における最も重要な時代のひとつ。前漢(西漢)と後漢東漢)の二期に分かれ、約400年にわたり続いた。
 
歴史
前漢(西漢):劉邦が楚漢戦争に勝利し即位、長安を都とした。武帝の時代に全盛期を迎え、中央集権体制と対外遠征によって版図を広げた。
・新:王莽が一時的に漢を滅ぼし「新」を建てたが、短命に終わる。
後漢東漢):劉秀(光武帝)が漢を復興し、洛陽を都とした。学問や文化が栄える一方、外戚や宦官の専横、黄巾の乱などが発生し、やがて群雄割拠の三国時代へと移行した。
 
経済・文化
漢代は儒教が国教化され、官僚登用制度(郷挙里選)が整備された。また、シルクロードを通じて西域との交易が活発化し、経済と文化の交流が広がった。
 
関連する人物
劉邦(高祖):漢王朝の創始者。
武帝前漢の最盛期を築いた皇帝。
光武帝(劉秀):後漢を再興した皇帝。
献帝劉協):後漢最後の皇帝。彼の時代が三国志の舞台となる。
 
三国志との関わり
三国志の時代は後漢末期にあたり、宦官の専横や黄巾の乱によって国家の秩序が崩壊した。曹操劉備孫権ら群雄は、形式的には「漢朝の正統」を掲げて戦った。特に曹操献帝を擁して権力を握り、劉備もまた「漢室の宗親」として正統性を主張した。
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川版では「漢朝の権威が失われ、しかしその名はなお人心をつなぐもの」として描かれる。物語全体の背景にあるのは「漢の衰退」であり、劉備が自らを「漢室の血を引く者」と称して義勇を奮う姿は、この王朝の存在感を象徴している。
「漢朝」登場回数
合計: 82回
0 4 8 12 17 3 桃園の巻 2 群星の巻 7 草莽の巻 10 臣道の巻 4 孔明の巻 5 赤壁の巻 13 望蜀の巻 13 図南の巻 17 出師の巻 8 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前