篆字

冒頭
篆字(てんじ)とは、古代中国で用いられた書体で、印章や金文の刻字に適した、線が均整で装飾性の強い文字です。吉川英治三国志』では、伝国の玉璽に彫られた印文を読む場面で「篆字《てんじ》の印文」として現れます 。
 
概要
篆字は「篆書」とも呼ばれ、官府の文書実務に広く使われた隷書・楷書などに比べ、儀礼性や権威を示す用途と結びつきやすい書体です。そのため、国家や君主の正統性を象徴する宝器である玉璽のような印章に刻まれる文字として語られます 。
 
意味
作中では、孫堅が得た印章を程普が鑑識し、篆字で刻まれた八字の文句を読み上げることで、それが「伝国の玉璽」である根拠が示されます 。同様に、孔明の前に現れた黄金の印章にも「八字の篆文」が刻まれているとされ、同じ印文が確認されています 。
 
当時の文脈での使われ方
玉璽の印文は「受命于天 既寿永昌」とされ、作中では秦の始皇帝の時に李斯へ命じて彫らせた由来が語られます 。篆字は、印文の権威と不可侵性を担保する刻字として位置づけられ、単なる装飾ではなく、宝器の真偽や由緒を判断する要点になります 。
 
吉川三国志での扱いと史実や演義との違い
作中では玉璽の印文を篆字として明示し、李斯の刻字という由来まで添えて正統性の象徴として扱う点が強調されます 。
「篆字」登場回数
合計: 2回
0 0 0 0 1 0 桃園の巻 1 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 1 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約5時間前