西苑
冒頭
西苑(せいえん)とは、後漢の都・洛陽の宮城に付属する苑地で、宮中の庭園・遊猟地や池沼をふくむ禁苑の一つです。吉川英治『三国志』では、宮中の乱のさなかに宦官たちが殺害され、その首が「西苑の湖中」へ投げ込まれる場として示されます。
概要
「苑」は宮廷の内外に設けられた広い庭園・狩猟地を指し、西苑はその西方に位置づけられる施設名です。作中では「湖中」とあるため、苑内に池や水面を備えた区画として描かれています。
歴史
後漢末の宮廷では、外戚・大臣勢力と宦官勢力の対立が深まり、政変や殺戮が宮城内へ波及しました。吉川『三国志』でも、十常侍の一派である趙忠・郭勝らが宮中で追いつめられた末に殺され、その首が西苑へ投げ込まれたと記され、宮廷権力の崩壊と混乱を示す地名として機能しています。
関連人物
史実との違い
吉川三国志での西苑の位置づけは、宮中の禁苑という一般的理解の範囲にあり、史実や演義との大きな相違としては扱われません。