侍中郎
冒頭
侍中郎(じちゅうろう)とは、後漢王朝の宮廷で天子の側近として仕え、禁中の内外にわたって奏聞や伝達、警護に関わった近侍系の官職です。作中では、献帝の行幸に随行する「侍中郎の楊琦」が、御車の前に出て兵を叱咤し、天子の車であることを示して通行を確保する役として描かれます。
概要
「侍中」は皇帝の近くで政務の補佐や諮問にあずかる側近官、「郎」は本来、宮中に宿直して実務を担う郎官層を指す語で、侍中郎は近侍官としての性格を帯びた呼称です。作中では、献帝が李傕・郭汜らの争いに巻き込まれて移動を強いられる局面で、侍中郎が帝のそばで状況判断や慰撫に携わる立ち位置として示されます。
意味
戦乱下の宮廷では、天子の所在と威信が政治の実権に直結したため、近侍官は「天子の車である」ことを宣して兵を制し、諸将や兵卒に対して礼を失しないよう求める役割を担います。作中の楊琦も、橋を固める兵に対し「漢の天子の…御車」であると告げて不敬を戒めています。
関連人物
史実との違い