御車

冒頭
御車(みくるま)とは、天子や皇族など高貴な身分の者が乗る車を敬っていう語です。吉川英治三国志』では、漢帝(献帝)の乗輿としての御車が、護衛や争奪の対象となる場面で頻出します。
 
概要
御車は「車」という実体だけでなく、「天子の所在」「朝廷の正統」を象徴する存在として扱われます。献帝長安の混乱を逃れて弘農洛陽方面へ動座する途上、御車をめぐって李傕郭汜らの兵が追撃し、また護送側が必死に守り立てる状況が描かれます。
 
意味
語としては「御(み)」の敬語を伴う「車」で、特に天子の車駕を指し得ます。作中でも「漢の天子の…還幸せらるる御車」と明示され、簾を掲げて帝の姿を示すことで兵がひれ伏すなど、車が権威の証拠として機能します。
 
用法と当時の文脈
献帝の逃避行では、宮廷の整った乗物ではなく牛車などの粗末な車に乗せ替える局面もありますが、それでも帝が乗る以上は御車として扱われ、移動の可否が生死と政局を左右します。
 
関連人物
献帝の御車は楊琦が不敬を戒めて通行を迫り、楊奉董承らが護衛し、郭汜が奪取のため追撃するなど、諸勢力の利害が交差する焦点となります。なお、関羽が二夫人の車を指して「御車」と呼び、衛兵の接近を制する例もあり、敬称が高貴な同乗者の保護と結びついて用いられます。
 
史実との違い
御車自体は一般に天子の車を指す語で、作中の献帝動座をめぐる具体的事件配置は『三国志演義』系の物語化の影響を受けています。
「御車」登場回数
合計: 42回
0 7 14 21 29 0 桃園の巻 1 群星の巻 29 草莽の巻 3 臣道の巻 6 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 3 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約2時間前