太后
冒頭
太后(たいこう)とは、皇帝の母や先帝の皇后が、皇帝の即位後に称する尊号です。後宮の主位として礼制上の「母儀」を担うと同時に、皇帝が幼少・政局不安の時期には、外戚や近臣の動きと結びついて政治権力の焦点になりえます。
概要
吉川英治『三国志』では、何太后(霊帝の皇后で、少帝の生母)が「太后」として帝の傍らに立つ場面があり、董卓の廃立に際して永安宮へ幽閉される対象として示されます 。また董太后(霊帝の母)も太后であり、協皇子(のちの献帝)を保護する立場として描かれます 。
意味
太后の権威は、皇統の「母」によって正統性を支える点にあります。他方で、太后に連なる一門が政治的後援となるため、太后の周辺は外戚・宦官・大臣の利害が衝突しやすく、取りなしや訴えの窓口として利用されることもあります 。
歴史
作中では、何后・何進の一族が董太后を政敵視して地方へ遷し、さらに刺客で殺害する経緯が語られ、太后の地位が宮廷抗争に左右されうることが示されています 。また何太后も廃立の場で「太后」として非難の文言にさらされ、処遇が決せられます 。
関連人物
史実との違い
吉川三国志での扱いと史実や演義との違いとして、太后をめぐる廃立・幽閉・殺害など史書に見える骨格に、場面の具体化や人物の台詞による説明が加えられている点が挙げられます 。