徐州侯
冒頭
徐州侯(じょしゅうこう)とは、後漢末の徐州(じょしゅう)に結びつけて与えられる侯爵号として作中で用いられる称号です。陶謙が劉備玄徳に対し、自身に代わって「徐州侯の封を受け」領地の統治を引き受けるよう迫った場面に見える語です。
概要
作中では、徐州の支配権を「封」として譲る意思表示、または朝廷的な任命の形式を帯びた申し出として機能します。陶謙は一度退けられた後も再び劉備に国譲りを迫り、劉備はこれを固辞して近郷の小沛のみを受け、なお徐州防衛に当たったと描かれます。
意味
侯は漢代の爵位体系における貴族称号で、一般に「封」を伴い、ある土地(封邑)に基づく名で呼ばれます。作中の「徐州侯」は、徐州という一州の帰属をめぐる政治的正統性を示す言い方として現れ、単なる実力支配と区別される「任命」「封建」の語感を帯びます。
関連する文脈
作中では、劉備が徐州を領していても「まだ正式に、詔勅をもってゆるされてはおりません」とされ、中央の認証が政略の材料になると語られます。 このため「徐州侯」は、徐州統治の事実そのものだけでなく、朝廷権威により公認された地位という含みを持つ称号として読めます。
史実との違い