牧
冒頭
牧(ぼく)とは、後漢末の行政区分である州を統治する長官を指す官職名で、一般に州牧ともいうです。吉川英治『三国志』では「徐州の牧」や「荊州の牧」のように、一定地域の支配権を公的に裏づける呼称として用いられます。
概要
州の長官は本来、監察を主任務とする刺史が代表的でしたが、後漢末の動乱期には、治安維持や軍事指揮を含む強い権限を持つ州牧が重く扱われ、群雄が朝廷の任命や名義を得ることで統治の正当性を示す要素となりました。作中でも諸侯連合の名簿に「兗州の刺史」「冀州の刺史」などが見え、刺史と並ぶ州レベルの官名として位置づけられています。
意味と背景
「牧」は本来「治める」「民を養う」の意を含む語で、州牧は一州の民政を掌握し、状況によっては軍政にも関与する立場でした。そのため、徐州における劉備のように「牧となる」ことは、単なる武力支配ではなく、官職に基づく領有として語られます。
関連人物
史実との違い