華陰県
冒頭
華陰県(かいんけん)とは、後漢末の関中から洛陽方面へ向かう街道筋にある県で、帝の行幸路や軍勢の往来に現れる地名です。帝が長安を出て弘農へ還幸する途中、「御車が華陰県をすぐる頃」に追兵の喊声が迫り、郭汜の兵馬が追撃してくる場面の舞台となります。
概要
作中の華陰県は、長安を離れて弘農へ向かう移動の途上に置かれ、護衛の乏しい天子の一行が、地方軍閥の追跡にさらされる危険地帯として機能します。華陰県通過の前後には、帝の御車が兵に咎められ、侍中郎の楊琦が「漢の天子の弘農へ還幸せらるる御車」と告げて道を開かせる経緯が描かれています。
歴史
華陰県の場面は、李傕・郭汜らの専横によって朝廷が動揺し、帝が長安から退く局面に属します。華陰県付近で追兵が迫った際、帝と皇后、随行の宮人が狼狽し、御林軍も僅少であることが示され、天子の威勢が実態としては軍事力に支えられていない状況が浮き彫りになります。
関連人物
史実との違い