董太師

冒頭
太師(とうたいし)とは、後漢末に「太師」の官位にあって朝廷を圧し、長安政権の実権を握った董卓(とうたく)を、作中で呼ぶ敬称です。王允(おういん)が「巳の刻に、董太師がお越しになる」と来訪を告げるように、外形上は国家の元老として遇されますが、その行装は「天子儀仗もあざむく」規模で、権勢の誇示が常態化しています。
 
生涯
西涼甘粛蘭州)に地盤を持ち、黄巾討伐後に罪を問われかけながらも宦官勢力を取り込み、刺史として兵二十万を擁するに至ります。 何進(かしん)の檄に応じて上洛の気配を示しつつ、澠池(べんち)付近で動きを止めて洛陽の内情をうかがい、機を見て介入する姿勢を取ります。
長安遷都後は郿塢(びう)に大城郭を築いて兵糧を蓄え、美女を後宮に集め、事の成否いずれにも備える拠点として運用します。 また、貂蝉(ちょうせん)を抱えて郿塢へ引き揚げ、「郿塢には、三十年の兵糧と、数百万の兵が蓄えてある」と自ら語っています。
 
人物像
軍功や官位よりも身分秩序を優先し、義軍劉備玄徳)らを「雑軍」と見て露骨に遇し方を変えるなど、利害と序列で人を測る傾向が描かれます。 一方で、李儒(りじゅ)の諫言として引かれる「絶纓の会」の故事を受け入れ、「呂布はゆるせ」と怒りを収める場面もあり、諫止を全く排さない局面も示されます。
 
関係人物
呂布(りょふ)を「わが子も同様」と位置づけ、近臣として用いる一方、貂蝉をめぐって猜疑と衝突を深めます。鳳儀亭(ほうぎてい)では呂布を見とがめて「匹夫っ。白日も懼れず、そんな所で、何しているかっ」と叱責し、主従の緊張が表面化します。
王允とは、酒宴に招かれて歓待を受け、護衛を宴席に残して後堂へ移るなど、権門の礼遇が政変の導線として働きます。
 
有名なエピソード
郿塢築城と蓄財・蓄兵は、長安政権の背後にある私的基盤として機能し、「事成らざる時は、この郿塢城に在って、悠々老いを養う」との言葉に集約されます。
また、貂蝉をめぐる判断では、いったん呂布への縁組を口にしながら撤回し、「なんでそなたを、呂布になど与えるものか」と言い切って郿塢へ帰還します。
 
有名なセリフ
「匹夫っ。白日も懼れず、そんな所で、何しているかっ」
「なんでそなたを、呂布になど与えるものか」
「事成らざる時は、この郿塢城に在って、悠々老いを養うのみだ」
 
史実との違い
吉川三国志では貂蝉をめぐる政変劇が董卓呂布の亀裂を決定づける軸として扱われますが、貂蝉は史実(正史)には見えず、演義的要素が強い点が異なります。
「董太師」の基本情報
総登場回数
24回
活動期間
1巻にわたって登場
初回登場
群星の巻
最終登場
群星の巻
最も活躍した巻
群星の巻 (24回登場)
「董太師」登場回数
合計: 24回
0 6 12 18 24 0 桃園の巻 24 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約3時間前